SDRの業務内容


早期地震検知警報システム:UrEDAS(ユレダス)、FREQL(フレックル)

UrEDAS(ユレダス)は世界最初の早期地震検知警報システムです。早期地震検知警報システムとは、地震動の初期微動(P波)を検知し、そこから得られる地震の情報をもとに警報を発令するシステムです。地震予知と決定的に異なるのは、「実際に地震が発生しないと作動しない」という点にあります。


地震が発生した場合、まず初期微動(P波)が地表に到達し、その後数秒(〜十数秒)遅れて主要動(S波)が到達します。
ユレダスは初期微動(P波)を検知し1〜3秒、フレックルは最短0.1秒で警報を発信します。これにより、主要動が到達するまでの数秒(〜十数秒)の間に、安全を確保するための対策を講ずることが可能となります。


右の写真をご覧下さい。崩壊した陸橋の上に列車が停止しています。
もし、列車が高速に走行しているときに大地震が発生し、この写真のように陸橋が崩壊したら、どのような状況になるでしょうか? 運が良くても脱線・転覆という事故になるでしょうし、最悪の場合、脱線・転覆の後、車両がそのまま地上に転落するということも大いに考えられます。しかし、陸橋が崩壊する前に列車を停止させる、もしくは減速させることができるとすればどうでしょうか?たとえ脱線・転覆という結果になってしまったとしても、高速走行のままの脱線・転覆と、減速された状態での脱線・転覆とを比べてみれば、列車内の乗客に対して安全なのは後者の方である、と言うことが想像に難くないと思います。
従って、地震で大きく“揺れ出す”前に、出来るだけ早く列車の運行を制御することが重要になります。

このような考えを踏まえ、走行中の列車や稼働中のシステムに対し、出来るだけ早く地震の情報を発信し安全を確保するよう開発された技術が“早期地震検知警報システム”になります。
弊社は、より早くより確実な早期地震警報/警報地震計をご提供できるよう、日々、システムの研究・開発を行っています。

これまでユレダスは、東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線、長野新幹線等を始め、東京メトロ、和歌山県港湾防災などにも採用されました。その後ユレダスは、その機能を受け継いだ新世代の警報地震計「FREQL(フレックル)」にバージョンアップされ、早期地震警報に貢献しています。

現在FREQLは、
 ○東京メトロ、小田急電鉄、Osaka Metro、東京臨海高速鉄道(りんかい線):列車制御用
 ○東京消防庁を始めとする全国の消防、警察庁:災害現場におけるレスキュー隊の2次災害の防止
 ○半導体工場、原子力発電所
 ○楽天野球団、札幌ドーム:スタジアム内の地震情報

などで利用されています。



弊社早期地震警報システムのP波警報処理時間の変遷

FREQLの動作例: 2018年大阪府北部の地震におけるOsaka Metro地震計システムの動作と被災地域の震動特性について

「UrEDAS、FREQL」についてより詳しい説明は、論文集をご覧下さい。
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  • 地盤および構造物の耐震診断・被害予測
  • 地震観測情報の提供

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