2016.6.17 |
2016年6月16日14時21分頃の函館の地震 |
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下図に各地(震央の位置と併せてgoogle earthの衛星写真に位置を示す)のリアルタイム震度の時間変化状況と警報タイミングを示す。記録波形を用いたFREQL警報シミュレーション結果も併せて示す。K-NET南茅部の計測震度や三成分合成加速度は5.9、976Galであるが、地震動の仕事率(パワー)から算定したリアルタイム震度の最大値は5.4であった。また被害との関連性が高い最大加速度5HzPGAは687Galであった。 |
![]() 震央位置と観測点の位置関係 |
![]() 各地のリアルタイム震度の変化と警報タイミング |
これらの震度や最大加速度の値からはかなり高い振動数の振動成分が卓越したと推測され、被害は限定的なものと推察される。緊急地震速報は高度利用者向けであっても、最初の気象庁検知点である尾札部や最大震度を記録した南茅部などで最大震度が発生した後のことであり、一般向けに至っては、震央から30km以上離れた被害が考えられない地点においても最大震度が発生した後のことである。
これに対して、震央に最も近い南茅部にFREQLがあれば、その警報は気象庁が地震を検知する前の30秒頃に発信されたと推定される。また、尾札部であっても、31秒に警報が出されたと推測される。いずれも最大震度発現までには2秒程度しかないが、とっさの退避行動を促すことはできるものと期待したい。被害地域の外側である戸井でのFREQL警報でも、高度利用者向けの緊急地震速報とほぼ同時であったと推測される。FREQL警報の地域共有がなされれば、より有効に早期地震警報の利活用が図られるものと期待される。 |
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