ご報告
2004年新潟県中越地震について

2004/11/03

2004年新潟県中越地震について

(株)システムアンドデータリサーチ

今回の新潟県中越地震では、深さ13kmの震源直上にあった上越新幹線沿線の変電所に設置されている早期検知システム「コンパクトユレダス」がいち早くP波を検知して1秒程度で警報を出し、付近を走行中のすべての列車は停電して非常制動がかかっています。

震源距離で約16kmの脱線現場近くのトンネル出口付近を走行中の「とき325号」は、変電所よりコンマ何秒か遅れてP波を受けたと考えられ、警報はその直後に発せられたことになります。トンネル出口付近の初期微動継続時間は2秒以上と考えられるので、警報からS波到来までは1〜2秒あったものと推測されます。直後に報道された乗客の話では、停電して急ブレーキがかかった、とのことですが、これは警報により変電所からの送電が停止し急ブレーキがかかったことを示しています。したがって、非常に短い時間ですが、対向列車なども含めてほんとうに大きく揺れ始める前にブレーキがかかり始めており、早期警報システム「コンパクトユレダス」の効果はあったと考えています。警報が1秒遅れると言うことは、損傷しているかも知れない区間を60mほど余計に走行するということでもあり、できる限り早く警報を発することが非常に重要であると考えています。コンパクトユレダスは、阪神大震災を教訓に直下地震にも対応できる早期警報システムとして開発されたシステムですが、今回、直下地震にもある程度対応できることが実証され、ほっとしています。

なお、2003年5月26日の宮城県沖地震では、海岸線に置かれたコンパクトユレダスがいち早く仙台-盛岡間に早期P波警報をだしており、今回は、新幹線が被災するほどの大きな震動でも確実に警報を出し、事後の情報も確実に送信できることを実証した2例目となります。2003年5月26日の宮城県沖地震に関するコメントはこちらをご覧下さい。





1991- Copyright © System and Data Research Co.,Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.