メキシコシティ常時微動測定
地盤の解析結果

 本研究では、常時微動測定によって求められた地盤の各測点の卓越振動数Fg、表層地盤の増幅倍率Agおよび地盤の被災しやすさ指標Kg値を、過去の地震被害との関連で考察しております。解析方法や解析結果の詳細は、第26回地震工学研究発表会講演論文(PDF形式)を参照下さい。 なお、講演論文を見るには、Adobe Acrobat Readerが必要です。

 左の図は、メキシコシティ市街地軟弱地盤層の等深線上に、各測点のQTスペクトルから推定された卓越振動数Fgを示したものです。Fgの大きさは全体の傾向を把握しやすくするため、いくつかのFgの大きさで4段階に分けております。

 調査地域は、西側に丘陵地、東側に湖を埋め立てた堆積地があり、西から東に移るにつれ軟弱層が徐々に堆積していく地盤構造になっています。
 図中のFgの分布は、その地盤構造に対応して、西から東へとFgが徐々に小さくなる傾向が明瞭に認められます。また、軟弱層がより厚く堆積している地域では、薄く堆積している地域に比べより小さなFgが分布しています。

 同地域の地盤の卓越振動数は、軟弱地盤である堆積層の特性を反映したものと考えられます。

 右の図は、QTスペクトルから求めれらた各測点ごとの増幅倍率Agの分布です。また図中には、増幅倍率Agの分布のほか、過去の地震(1957, 1979, 1985年)で発生した建物被害地域も合わせて図示しております。

 EW3,EW4測線のAgの分布は、丘陵部以外のほとんどのところで大きな値を示しています。また、EW3測線の被害経験域は大きなAgに対応しています。

 次に、各測点で定義された卓越振動数Fgと増幅倍率Agから、地盤の被災しやすさを表わす指標Kg値(講演論文参照)を求めています。Kg値が大きいということは、地震で被災しやすい地盤であることを意味します。

 左図が地盤の被災しやすさを表わす指標Kg値の分布です。この分布もFg同様に4段階に分けて示しています。Kg値は丘陵地以外で大きな値を示す傾向が認められます。特に、EW1, EW3の測線では、Kg値が大きいところと建物被害地域がよく対応しています。


本解析結果は無断転載を禁じております。解析結果等を使用する際は弊社までご連絡下さい。また、表中に記載されている地域の振動特性を測定する予定または測定されたことがある方や、このような調査の共同研究等のご相談などがありましたら、弊社までご連絡頂ければ幸いです。
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