2017. 9 メキシコ地震


2017. 10. 4 SDR


メキシコ・プエブラ地震での早期警報状況

中村 豊
(株)システムアンドデータリサーチ

 メキシコの警報機関(概ね民間企業)から、表記についてのレポート(2017年9月28日付)が届いた。

 これによると、2017年9月19日13時14分40秒(現地時間、以下すべて同じ)に発生した地震を最初に検知しM>6.5と判断したのはPilcaya地点で時間は14分50.5秒であったが、これは「アルゴリズム3s」と呼ばれる機能で、試験中のものであり、実際の警報には使われていない。現在使われている機能である「アリゴリズムSP」による最初の検知は、14分56.7秒に同じくPilcaya地点であり、この時に予備警報モードに入ったという。その後、15分03.0秒に、Chazumba地点で「アリゴリズムSP」でM>5.5が検出され、予防警報が、03.0秒から03.2秒の間に、関係5地域に出された。その後、15分04.1秒にTehuitzingo地点でも「アリゴリズムSP」でM>6.5が検出され、公衆警報が、04.1秒から04.2秒の間に5地域に対して発信されている。

 別途報告したように、ソカロ広場の防犯カメラ映像によると、15分08秒あたりで警報サイレンが鳴動し始めている。レポートでは公衆警報の時点でメキシコシティーでは20Galと大きく揺れていたことを述べているが、カメラ映像では15分04秒あたりから揺れを認識できることから、カメラの時計は概ね正しいと考えられる。警報機関からの警報が発信されてから、警報サイレンが鳴動し始めるまでに3秒〜4秒程度を要すると思われる。

 試験中の新しい機能「アルゴリズム3s」によれば、13時14分53秒に発信できるとしており(M>6.0以上と判断した地点が2点以上で警報か)、震源域においても大きな揺れに遅れないようにできることを目指しているようだ。

以上

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